0歳の双子育児|一番きつかったのは「寝られない」こと

双子育児

双子育児は、いつになったら少し楽になるんだろう。
0歳の双子を育てていた頃は、そんなことを何度も考えていました。

我が家の0歳を振り返って、一番強く残っているのは、ミルクとオムツ交換が延々と続く生活と、それによる睡眠不足です。

もちろん、赤ちゃんが2人いるからこその幸せもありました。
2人並んで眠っている姿。同じようで少し違う表情。日に日に増えていく反応。

双子だからこそ味わえた喜びはたくさんあります。
ただ、赤ちゃんが「かわいい」ことと、育児が「大変」なことは別です。

特に新生児期は、一日を終えて「今日も頑張ったな」というより、いつの間にか次の朝になっている。そんな毎日でした。

0歳の頃は、ミルクとオムツ交換が終わらない

当時の生活を思い出したとき、真っ先に浮かぶのがミルクです。

1人にミルクを飲ませる。
ゲップをさせる。
オムツを交換する。
寝かしつける。

ようやく終わったと思ったら、今度はもう1人。
同じようにミルクを飲ませ、ゲップをさせ、オムツを交換して、寝かせます。

これでようやく休める、、、と思った頃には、最初の子のお世話がまた近づいている。しかも、毎回順番よく進んでくれるわけではありません。

2人同時に泣くこともあれば、1人にミルクを飲ませている最中にもう1人が泣き出すこともあります。ようやく1人が眠ったと思ったら、もう1人が起きることもあります。

だから当時の感覚を一言で表すなら、

ミルク→ゲップ→寝かしつけ→哺乳瓶の洗浄と次の準備→起きる→オムツ→ミルク

本当に、この繰り返しでした。

「終わらない」と感じたのは、我が家だけではなかった

多胎育児に関する資料を調べてみると、0歳の双子育児がどれほど慌ただしいのかをイメージできる数字があります。

多胎育児のサポートを考える会と、認定NPO法人フローレンスが、2019年に行った「多胎児家庭の育児の困りごとに関するアンケート」には、全国の多胎家庭から1,591件の有効回答が寄せられました。

その関連資料では、ある多胎家庭の育児日記をもとに、生後0か月の双子について、

1日に授乳18回、オムツ交換28回

という事例が紹介されています。
ここは誤解のないように補足しておくと、「双子家庭では平均して1日18回授乳する」というデータではありません。あくまで、ある1家庭で実際に記録された1日の例です。

それでも、双子の0歳期を経験した身としては、この数字を見ると「そうそう、この感じだった」と思います。授乳(ミルク)18回とオムツ交換28回だけでも、単純に数えれば46回。

でも、当然ながら育児はそれだけでは終わりません。

抱っこする。泣いたらあやす。着替えさせる。寝かしつける。哺乳瓶を洗う。次のミルクを準備する。沐浴する。洗濯する。
その合間に、親自身も食事をして、お風呂に入り、眠らなければなりません。

私自身、「双子だから育児が単純に2倍」というよりも、起きている間はずっと何かのお世話をしているという感覚のほうが近かったです。

「赤ちゃんが寝ている間に寝る」が難しい

育児では、「赤ちゃんが寝たら、親も一緒に休んだほうがいい」と言われることがあります。
それ自体はその通りだと思います。休めるときには、休んだほうがいい。

ただ、双子の場合は「赤ちゃんが寝た」という状態が少し違います。

1人が眠ったからといって、もう1人まで眠っているとは限りません。

1人を寝かしつけて、「よし、今なら少し寝られる」と思う。すると、もう1人が泣き始める。そちらを抱っこして、ミルクを飲ませ、ようやく眠ってくれた。ところが今度は、先に寝ていた子が起きる。

こうなると、親が本当に休めるのは「双子が2人とも寝ている時間」です。

これが、とにかく貴重でした。今になれば笑って話せることもありますが、睡眠不足の真っただ中にいるときは、そんな余裕はなかなかありません。

全国1,591件の調査でも「睡眠不足」が大きな負担に

我が家だけではなく、多胎育児と睡眠不足の関係はアンケート結果にも表れています。

2019年の全国調査(有効回答:n=1,591)で「多胎育児中につらいと感じた場面」を尋ねたところ、主な回答は次のようになっています。

  • 外出・移動が困難:89.1%
  • 自身の睡眠不足・体調不良:77.3%
  • 自分の時間がとれない:77.3%
  • 大変さが周囲に理解されない:49.4%

4人に3人以上が「自身の睡眠不足・体調不良」を挙げている計算になります。
私も「0歳の双子育児で一番大変だったことは?」と聞かれたら、やはり睡眠不足を挙げます。

別の調査でも、双子育児の「睡眠不足」が浮かび上がる

石川県立看護大学の研究者らが、全国の多胎育児サークルなどの協力を得て行った「多胎児家庭の育児に関するアンケート調査」も参考になります。

この調査では2,401部のアンケートを配布し、956件の回答(回答率39.8%)を得ています。そのうち双子家庭は942件。回答者の99.4%は母親でした。

「ふたご育児で大変なこと」を年齢別に調べたところ、「睡眠不足」を挙げた人が多く、子どもが大きくなった家庭でも、乳幼児期を振り返った際に睡眠不足の大変さが強く印象に残っていることが報告されています。

つまり、「0歳の双子育児は、とにかく寝られなかった」という経験は、決して特殊なものではなく、多くの双子家庭でみられる悩みの一つだと考えられます。

0歳の双子育児では、父親も睡眠不足になりやすい

ここは、父親として書いておきたい部分です。

育児に関する記事では、どうしても母親側の負担が中心になりがちです。もちろん、妊娠・出産から続く母親の身体的な負担は非常に大きいものです。

一方で、0歳の双子を育てる生活では、父親にも睡眠不足や育児ストレスが生じます。

2025年に「日本公衆衛生雑誌」に掲載された研究では、国民生活基礎調査の2016年・2019年・2022年のデータを使い、0歳の多胎児を養育している父親と、0歳の単胎児を養育している父親が比較されています。

その結果、多胎児の父親では単胎児の父親と比べて、睡眠時間が5時間未満の人の割合が有意に高いことが報告されました。さらに、悩みやストレスの原因として「育児」を挙げる割合も有意に高かったとされています。

双子育児では、「父親がお母さんをどう助けるか」という考え方だけではなく、父親自身も育児の当事者として、家族全体をどう回していくかを考える必要がありますね。

というより、ここは推論ですが、双子育児の場合は、父親も当事者として育児をしないと、そもそも家族が崩壊しかねないほど、大変なものだと思います。

1つ1つはできても、それが24時間続くときつい

ミルクを1回あげる。
オムツを1回交換する。
赤ちゃんを1回寝かしつける。

1つ1つだけを見れば、それほど長い作業ではないかもしれません。

でも0歳の双子育児で大変なのは、それが昼夜関係なく何度も繰り返されることでした。そして、それを睡眠不足の状態で続けます。

「どうして泣いているんだろう」
「さっきミルクを飲ませたのはどっちだっけ?」
「オムツは替えたよな?」

そんなことを考えながら、またミルクを作る。

0歳の頃は、「今日一日を頑張ろう」と考える余裕すらなく、むしろ、次のミルクまでとりあえず乗り切ろう。

そんな感覚でした。

「うちだけ余裕がないのかな」と思わなくていい

SNSを見ると、かわいい双子の写真がたくさん流れてきます。

お揃いの服を着た2人。
きれいな部屋。
仲良く並んで寝ている双子。

もちろん、それも双子育児の一面です。

でも、その一枚の写真の前後には、ミルクがあり、オムツ交換があり、泣いている時間があり、寝かしつけがあり、大量の洗濯物があるかもしれません。

実際、双子の母親234人と単胎児の母親200人を比較した研究では、「子どもの世話をする時間的ゆとりがあまりない・まったくない」と答えた人は、

単胎児家庭:13.6%
双子家庭:68.9%

でした。

平均睡眠時間についても、

単胎児家庭:7時間19分
双子家庭:6時間32分

という結果で、双子家庭の母親のほうが有意に短いことが報告されています。

この研究は2002年発表のものであり、現在とは育児環境や支援制度が異なることには注意が必要です。それでも、双子家庭が時間的な余裕を持ちにくいことを示した研究として参考になるデータです。

夫婦で完全に50:50にすることより、2人とも倒れないこと

0歳の双子育児を経験して感じたのは、どちらか1人がすべてを抱えるのは厳しいということです。

ただし、

「夜泣き対応を完全に半分ずつ」
「ミルクも必ず同じ回数」

と、すべてを50:50にすればいいとも思いません。

仕事の時間も違えば、得意なことも違います。その日の体調や疲れ方だって違います。

大事なのは、どちらが何回やったかではなく、どうすれば夫婦2人とも倒れず、翌日を迎えられるか。そこが重要だったと思います。

なお、双子家庭と単胎児家庭を比較した研究では、夫の育児協力がある双子家庭の母親は、協力がない家庭に比べ、心身両面の疲労感が有意に軽かったことも報告されています。

双子育児では、父親が「育児を手伝う」というより、最初から育児チームの一員になる。そのくらいの感覚が実態に近いのではないでしょうか。

ずっと続きそうだった0歳の生活にも、少しずつ変化が出てきた

当時は「この生活はいつまで続くんだろう」と思っていました。でも、ずっと同じ状態が続いたわけではありません。

少しずつ生活のリズムが見えてくる。そして親の側も、双子との生活に少しずつ慣れていきます。

「この泣き方なら、お腹が空いたかな」
「そろそろ眠そうだな」

そんなことも、以前より分かるようになってきます。昨日と今日だけを比べても、大きな違いは感じません。それでも数か月前と比べてみると、

「前より少し楽になっているかもしれない」

と思える瞬間が増えていきました。

私にとって双子育児は、「今日から突然楽になった」という明確な境界線があったわけではありません。気づかないくらい少しずつ、今まで大変だったことが一つずつ減っていく。

そして、成長とともに別の大変さが出てくる。そんな変化でした。

0歳の双子育児を振り返って

もし今、0歳の双子を育てながら「いつになったら楽になるんだろう」と思っている人がいるなら。少なくとも、0歳の頃の大変さが、そのまま永遠に続くわけではありません。

ミルクとオムツ交換ばかりだった時期も変わっていきます。夜中に何度も起きていた生活も、ずっと同じではありません。「じゃあ、1歳になれば全部楽になるの?」と聞かれれば、そうではありません。

0歳とは、また違った種類の大変さが始まったからです。

0歳は、とにかく体力的にきつかった。そして1歳になって気にするようになったのが、双子の発育の差。

同じ日に生まれ、同じ家で、同じように育てている双子。それでも、少しずつ「できること」に差が出てきます。親としては、どうしても2人を比べてしまう。

我が家にとって1歳は、0歳の睡眠不足とは違う意味で、「この成長で大丈夫なのかな?」と考えることが増えた時期でした。

続く。

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