生後10ヵ月を迎えると、つたい歩きがさらに力強くなり、支えなしで一瞬「たっち(ひとり立ち)」をする子が出てきます。また、離乳食では自分の手で食べたい欲求(手づかみ食べ)が爆発する時期です。意思表示がはっきりしてくる反面、いたずらや後追いの激しさ、手づかみ食べによる「散らかりストレス」に悩まされる母親・父親も増えてきます。
この記事では、厚生労働省の公表データやガイドラインをもとに、生後10ヵ月児の成長目安や手づかみ食べのサポート法、室内安全対策、リアルな「あるある悩み」まで分かりやすく解説します。
生後10ヵ月児の特徴と成長目安
生後10ヵ月になると、足腰のバランス感覚が一段と発達し、両手を離してバランスを取ろうとする動きが見られ始めます。
厚生労働省の『乳幼児身体発育調査』による、生後10〜11ヵ月未満の赤ちゃんの標準的な成長目安は以下の通りです。
体重・身長の目安
| 項目 | 男の子の目安 | 女の子の目安 |
| 身長 | 68.4cm 〜 77.4cm | 66.5cm 〜 75.8cm |
| 体重 | 7.34kg 〜 10.59kg | 6.86kg 〜 10.06kg |
※数値は厚生労働省「乳幼児身体発育調査」より。1歳の誕生日に向けて、より筋肉質で引き締まった幼児らしい体つきへ変化していきます。
運動機能・知能の発達
- たっち(ひとり立ち)・伝い歩き
片手だけを家具に添えて歩いたり、両手を離して数秒間ポツンと立つ「たっち」ができる子が増えてきます。 - 言葉と身振りの理解
「ちょうだい」「どうぞ」「おいで」などの簡単な指示を理解し、おもちゃを差し出したり手を伸ばしたりできるようになります。 - 手先(つまみ持ち)の完成
指先でかなり小さな物でも器用につまむことができるようになります。

語彙数を増やすためにも、どんどん話かけるべし。
授乳・離乳食のスケジュールと目安量
離乳食は引き続き「3回食(カミカミ期)」を継続し、「自分で食べたい」という意欲(手づかみ食べ)を育む時期です。
手づかみ食べの重要性と進め方
厚生労働省の『授乳・離乳の支援ガイド』でも、手づかみ食べは「目で見たものの位置を把握し、手で掴んで口へ運ぶ」という一口量の学習や自立への重要なプロセスとされています。
- おすすめメニュー
スティック野菜(人参・大根など)、おにぎり(軟飯一口サイズ)、食パンの耳なしスティック、おやきなど、一口で食べやすい形状にしてあげましょう。
授乳と離乳食のバランス
- 栄養の割合
食事から約7割、授乳から約3割の栄養を摂るのが目安です。 - 授乳の頻度
離乳食の後に与えるほか、寝る前などに1日2回程度与えます。
睡眠時間と生活リズム
日中の運動量が最大級になり、昼夜の睡眠サイクルがかなり完成されてきます。
- 1日の睡眠時間
およそ12〜13時間(昼寝は午後中心の1〜2回、計2時間程度にまとまってくる子が増えます) - 夜泣き・寝ぐずり
昼間の刺激や「もっと動きたい!」という欲求から、寝室に行っても興奮して部屋中をハイハイしまくる「寝る前大暴れ」が起きやすくなります。
生後10ヵ月ママ・パパのリアル!「生後10ヵ月あるある」5選
自己主張と運動量がMAXになる生後10ヵ月。多くのご家庭で繰り広げられる「あるある」です。
1. 手づかみ食べで「床がご飯つぶの踏み踏み会場」になる
手づかみ食べをさせると、握りつぶして床へポイポイ投下。食後、親が立ち上がった瞬間に床のご飯つぶを踏みつけ、「ベタベタする!」と悲鳴をあげる毎日になります。
2. 「ちょうだい」と言うと、一瞬渡すフリをして自分で引っ込める
「ちょうだい〜」と手を出すと、おもちゃを「どうぞ」と差し出してくれますが、受け取ろうとした瞬間に「やっぱりダメー!」と素早く手元に引き寄せて悪戯っぽく笑います。
3. 引き出しの中身を「全出し」してご満悦
指先と腕の力が強くなり、タンスや食器棚、テレビ台の引き出しを片っ端から開けて中身(服・書類・タッパー)を床に撒き散らす「全出しパーティー」を催します。
4. 褒められた行動を「ドヤ顔で無限ループ」する
「パチパチ上手!」や「バイバイできたね!」と大人が喜ぶと、調子に乗って何度も同じ動きをドヤ顔で繰り返し、親の顔色を伺ってリアクションを求めてきます。

飽きるまでやらせてあげよう。
決して、親が飽きるでないぞ。
5. 「どうぞ」で親の口に自分のかじりかけ(ベタベタ)を押し込んでくる
自分が食べている食パンやおやつ、果てはおもちゃを「どうぞ」と親の口に突っ込んできます。愛情表現と分かっていつつも、よだれでベタベタなので少し戸惑います。

うん、全然いいんだけど。本当に全然いいんだけど、ちょっぴり嫌かも。
っていう気分だったな。
この時期の発達を促すおすすめの遊び・おもちゃ
言葉の理解と、手先・足腰のバランス感覚を育む遊びが最適です。
- 手づかみ&一口量の学習
手づかみ食べメニューを自分で掴んで食べさせることで、口に押し込みすぎずに「自分の適量」を覚える練習になります。 - やりとり遊び(「ちょうだい」「どうぞ」)
「どうぞ」「ありがとう」と言葉と身振りをセットにしておもちゃを交互に渡す遊びで、やりとりの楽しさを教えます。 - 押して歩くおもちゃ(手押し車・カタカタ)
たっちやつたい歩きが安定してきたら、手押し車などを押して歩く遊びで足腰の筋力をサポートします。
ママ・パパが注意すべきケアと見守りポイント
たっち・つたい歩きと手づかみ食べに伴う、公的機関推奨の事故防止ポイントです。
1. 室内事故(指挟み・転落・後頭部打撲)の予防
行動範囲と手が届く高さが格段に広がります。
- ドア・引き出しの指挟み防止
ドアストッパーや、引き出しロック(チャイルドロック)を取り付けましょう。 - ベビーカー・ハイチェアからの身乗り出し・転落
立ち上がろうとして転落する事故が多発します。安全ベルトを必ず締めましょう。
2. 誤飲・窒息事故の再徹底(小さなボタン・薬)
つまみ持ちが完璧になるため、床に落ちている1cm未満の微細なゴミや、薬のPTPシート、ボタン電池などを確実に狙って口に入れます。床掃除の徹底と薬品類の鍵付き保管を徹底してください。
3. ストロー・コップ飲みの練習
離乳食3回食とともに水分補給の機会が増えます。ストロー付きマグや、小さめのコップを使った「コップ飲み」の練習を進めておくと、1歳以降の卒乳時にも非常にスムーズです。
この月齢で準備・買い足しておきたい便利グッズ
手づかみ食べのストレス軽減と、次のステップ(歩行・卒乳)に向けたアイテムです。
- すくいやすい・滑り止め付き離乳食食器
手づかみやスプーンの練習で動かないよう、底に吸盤がついたシリコン食器(ドードル等)が非常に便利です。 - 引き出し用チャイルドロック・ドアストッパー
いたずら防止&指挟み防止のため、キッチンやリビングの家具に取り付けるロック用品を用意しましょう。 - コップ飲み練習マグ(マンチキン・リッチェル等)
倒してもこぼれない構造のコップ型トレーニングマグがあると、水分補給の練習がストレスなく進みます。
まとめ:散らかりは成長の証!「今だけ」と割り切って乗り切ろう
生後10ヵ月は、自分で立てるようになったり、手づかみでご飯を食べたりと「自分の意思で行動する喜び」が溢れ出る時期です。手づかみ食べや引き出しの全出しで部屋が散らかるのは、脳と手先が健やかに発達している証拠。「お掃除ロボットや便利グッズを使いながら、今だけのやんちゃ期を乗り切っていきましょう。
次は「生後11ヵ月」!ファーストシューズ選びや卒乳の検討、1歳の誕生日に向けた準備について解説します。

